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その重要性の理解を深めた「海岸林再生活動セミナー」を開催しました。

 3月5日、仙台市情報・産業プラザ多目的ホールにおいて、「海岸防災林再生活動セミナー」を開催しました。
 当日は多数の方が来場される中、午後1時の定刻どおりにセミナーが始まりました。冒頭、村井嘉浩宮城県知事に代わって登壇した勝又敏彦宮城県農林水産部次長は、平成32年までに宮城県の海岸防災林約1,460ヘクタールのうち約1,000ヘクタールの植樹を終え、約50年かけて育んでいく計画を持っていることに触れ、「本日は3名の講師の方からそれぞれの得意分野でのお話があるかと思いますが、本セミナーでの内容を十分に理解していただいて、皆様の今後の活動につなげていただければ幸いです」と挨拶しました。

海岸林再生活動セミナー海岸林再生活動セミナー

 「海岸防災林再生の重要性について」と題した第一部では、海岸防災林再生等復興支援事業アドバイザである国土防災技術株式会社の田中賢治氏が登壇し、東日本大震災後の検証で海岸林の有効性が注目されるようになったと述べ、植栽の目的、苗の種類、留意事項など、その重要性について細かく解説いただきました。  「宮城県の海岸再生プラン」と題した第二部では、宮城県農林水産部森林整備課課長の小杉徳彦氏が登壇。伊達政宗公の江戸時代から始まったという宮城県における海岸防災林造成の歴史の振り返りや東日本大震災によって被害に遭った海岸防災林の再生プランなどが紹介されました。

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海岸林再生活動セミナー そして第三部では、作家や写真家など多方面で活躍されている椎名誠氏を招いて「地球の自然環境は不公平」と題した講演が行われ、世界を歩いてきた椎名氏ならではの体験をもとに、日本と他国との自然環境や生活習慣の違いなどを織りまぜて、失って分かった海岸防災林の重要性と再生の必要性についてお話しいただきました。

海岸林再生活動セミナー 閉会の挨拶に立った森琢男宮城県緑化推進委員会理事長は「日本独特の風景は生活防御のための海岸林の機能美の現れでもあり、地域の人々の努力の賜物でもあります。この海岸林の成り立ちやその効用が広く理解され、宮城の海岸林再生活動が多くの皆様の手により進められますことと、海岸林が鎮魂と復興を語り継ぐ絆の場として、世代を超えて引き継がれることを願うものであります」と締めくくり、本セミナーは滞りなく終了しました。

ご多忙の中、出席いただきました皆様に深く感謝申し上げます。

未来へ大きな期待を込めた植樹祭が開催されました。

東北復興・海岸林再生記念植樹祭(その1)

 東日本大震災の大津波によって大きく姿を変えることになってしまった名取市の沿岸域。一日も早い復興・復旧を願い、野球文化とみどりの文化の普及、そして海岸防災林の再生と地球温暖化防止に貢献する森づくりを地域住民と県内外の団体との協働で行う、「国際生物多様性の日・グリーンウェイブ*2014」と「プロ野球の森 in 宮城・名取 制定記念植樹祭」が、5月22日に名取市下増田の台林国有林内「社会貢献の森」において開催されました。
東北復興・海岸林再生記念植樹祭(その2) 当日は、植樹活動に取り組む市民グループや地元の大学生・高校生などに加えて、日本の森の再生に取り組んでいる楽天から東北楽天ゴールデンイーグルスの関係者など、約60名が参加。海岸から約400メートル離れた1,760平方メートルの敷地に、クロマツの苗と宮城県産の種子を佐賀県の幼稚園児たちが復興を願って大切に育てたコナラの苗をあわせた1,112本が、1本1本丁寧に植えられました。
 植樹を終えた参加者からは「成長には長い時間かかりますが、若い人たちと一緒に植樹できてとても良かったです」や「今日植えた苗を自分たちが守っていきたいと感じました」と、思い思いの感想を述べてくれました。
 大震災前の姿を取り戻すまでには壮大な時間がかかりますが、今後もたくさんの方々にご参加いただき、失われてしまった海岸のマツ林を取り戻していく活動をこれからも続けていきます。

東北復興・海岸林再生記念植樹祭(その3)東北復興・海岸林再生記念植樹祭(その4)

*グリーンウェイブとは、国連が定めた「国際生物多様性の日(5月22日)」の現地時間午前10時に、世界中で青少年らが植樹などの生物多様性への理解を深めるための行動を呼びかけるキャンペーンです。地球の東から西へ「緑の波(グリーンベルト)」が拡がっていくことが名称の由来です。日本では、3月1日から6月15日までの間に植樹をはじめ、森林や樹木などの保全・手入れ・触れあう活動を広く呼びかけています。

伊達政宗公にゆかりある沿岸域に1,000本のクロマツを植栽しました。

名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式(その1)

名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式(その2) 東日本大震災がもたらした甚大な被害。とりわけ、沿岸域においては大津波によって多くの海岸のマツ林が失われてしまったことはご存じのとおりです。そうした沿岸域で失われてしまった海岸のマツ林を再び甦らせようと、5月4日、11日、25日の3日間、名取市下増田台林(台林国有林内)にて「名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式」が開催されました。
 今回の植樹式は、東京新聞の協力のもと、首都圏からのボランティアをはじめ、情報産業労働組合連合会、ゆりりん愛護会、地元の中高生や地域住民など、244名もの方々が参加しました。

名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式(その3)名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式(その4)

 力のいる穴掘りは男性が率先し、子どもたちや女性がクロマツの苗を穴に入れて土で埋めるという姿が見られ、おかげさまで3日間の植樹で2,000平方メートルの面積にクロマツの苗1,000本を植栽することができました。
名取・潮除須賀松(しおよけすかまつ)の森 再生植樹式(その5) 植栽が行われたこの地は、約400年前に仙台藩主・伊達政宗公によって植栽されたのが始まりと言われ、東日本大震災の大津波に見舞われるまで、約1,000ヘクタールを超える海岸林が潮害・飛砂・風害などから地域に暮らす人々を守り続けてきました。
 皆様のご協力で植えられたたくさんの小さなクロマツ。1年、10年、100年と成長しながら、まちの復興を見守り続けていくことでしょう。